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  • こんにちは。守口市会議員団です。

    国保、全国一律で都道府県単位化へ厚労省方針 保険料高額に拍車も(「新守口」No1910、2010.10.24)

    [2010.11.30] -[新守口]

     市町村が運営する国民健康保険(国保)について厚生労働省は9月27日、若人分も含めて全年齢を対象に都道府県単位の運営に移行する「広域化」を、全国一律で期限を定めて実施する意向を表明しました。同日開かれた同省の高齢者医療制度改革会議で提示しました。

    高齢者も若人も都道府県国保に

     2013年度に導入を狙う後期高齢者医療制度に代わる「新制度」については、対象年齢を75歳以上とする方針を示しました。「新制度」では、75歳以上の高齢者の8割強を占める約1200万人が、都道府県単位で財政運営する国保に加入することになり、市町村単位で財政運営する現役世代と別勘定になります。

     その次の段階で、全年齢を対象にした国保の広域化が行なわれます。広域化の手順について同省は「国民にとってわかりやすい」ことなどを理由に、期限を設定して全国一律で移行するのが適当としました。具体的な移行年限は今後検討されますが、全国市長会などは、来年の通常国会に提出する改正法案に移行年限を明記するよう求めています。一方、全国知事会は、慎重な姿勢をみせています。同日の会議で全国市長会国保対策特別委員長の岡崎誠也委員(高知市長)は、システム改修や2013年度実施の新制度の財政影響を見極める期間を考慮すると「(2013年度から)4年(後)が一つの考え方になる」と述べ、2017年度を提案しています。

    一般会計からの繰り入れ廃止が狙い

     広域化について厚労省は、保険料の算定方法を法令で定め、都道府県単位の運営主体が「一般会計からの繰り入れを行う必要は生じない仕組みとする」としています。その場合に、財政運営と保険料設定を現役世代と高齢者で別々にするかどうかは、高齢者医療の「新制度」導入後に検討する方針です。

     もともと、国保を広域化するシナリオを打ち出したのは、医療費の削減を進めた小泉・自公政権です。一般財源の繰り入れをなくし、医療費の増加を保険料アップに直結させる狙いでした。際限ない保険料アップか、医療費の抑制か、という二者択一に国民を追い込む政策です。後期高齢者医療制度の運営主体を、一般財源をもたない都道府県単位の広域連合としたことも同じ狙いでした。

     現在、多くの市町村は、高すぎる国保の保険料(税)を抑制するため一般財源を国保会計に繰り入れています。国保広域化の狙いは、市町村ごとに異なる保険料の「平準化」を口実に市町村の一般財源の繰り入れをやめさせることにあります。繰り入れがなくなれば、医療費の増加が保険料アップに直結し、高すぎる保険料のさらなる高騰をもたらします。

    国庫負担金の復元を

     さらに、広域化の理由として国保の財政難があげられますが、その最大の原因は国保財政全体に対する国庫支出金が1980年代の約50%から2007年度の約25%にまで半減させられてきたことです。これを復元することこそ必要です。それ抜きでは、広域化しても国保の財政難の解決にはなりません。そのうえ、一般財源からの繰り入れをやめれば、いっそう財政を困難にし、保険料値上げと、払えない人の増加という悪循環を招くのは必至です。